尾上の松へ

新幹線が混みあうから、ゴールデンウィーク前に出掛けよう…と、先の木曜日4月26日に兵庫県加古川市へ再び出向きました。実父のサラリーマン生活は、本当に短い年月で。赴任先で長女として生まれた自分の写真には、「加古川市尾上町の自宅にて」と母の記載があります。寺家町の奥医院という名前の入ったへその緒の箱も存在するので、実父が他界してしまってから、慌てて何度か足を運んでいます。自分が動けるうちに…という意味で。上は山陽電鉄「尾上の松」駅です。

 

今回は、オーミケンシ加古川工場が目的地です。2017年秋に出向いた時には、取り壊しが近いと思わせる重機等が入っていたことを思い出し、ネットを探してみると、あれから敷地が売却されたとのことで、それをこの目で確かめる為に「尾上の松」駅に出かけることになりました。

 

姫路まで新幹線のぞみで約80分。JR駅から外に出て山陽電鉄に乗り換え、「山陽姫路」から普通電車で13駅ほど、30分、運賃530円で大阪方面に戻ると「尾上の松」駅に到着です。この駅に降り立つのは3度目か4度目…。そこから30分ほど目印はありませんが住宅地を歩きます。前回より何だか建売の新築が増えていて、開発が進んでいると感じます。工場跡地の木々はズイブン伐採された模様で、すっきりとした空が眺められます。高い囲いの中は分かりませんが、煙突等は見当たらないので撤去されたようです。そろそろコチラに出向くのも終わりなのだなぁと思ったりします。

なので、今回は姫路より一つ向こうの「浜の宮」から乗って神戸で降り、JR「新神戸」から名古屋に戻る…と決めて歩き出しました。地図がある訳ではなし、スマホをチラチラしながらも、方向オンチの自分には確信が持てないまま、方向だけは合っているだろうとガンバってみますが、一向に駅らしき処が見つからず。。。アタマは青ざめているのに汗だくで・・・。自転車でこちらに向かっていらっしゃる方に思わず声を掛けてしまいました。駅までの方向は合っていたようで、あと150メートルほど歩いて左に曲がれば見えてくる…と。

 

 

「浜の宮」から「阪急神戸三ノ宮」まで、1150円の運賃で普通電車にひたすら乗り続けることになります。神戸には馴染がなく、こちらを目的に出かけたことがありません。前回2017年にはJRを使って三ノ宮に降り立ったようで、そごうデパートでイタリアンのお店に入った記録があるので、う~んと探しながらウロウロしているうちに。「JR神戸駅コチラ」の道しるべがあり、そちらに引き寄せられて歩いていくうちに、デパートはどこにも見当たらず、延々とテクテク歩くハメになり、飲まず食わずで歩いていることに気付いた頃には、だんだん腹が立ってきて。どうしてこう坂ばかりなのか、とか、新幹線の駅のくせに何で繁華街から離れているのだろう…とか。やっとのことで着いたのが、六甲ロープウェーのトンネルの手前だったことに気付きました。

やっとの思いで近くの喫茶に飛び込み、コーヒーと小さなチーズケーキ、コミコミで628円也。本日の昼食とオヤツを兼ねることになります。

 

新神戸から名古屋までは65分。観光地でも無い処を、てくてく歩きまわる一日が過ぎてゆきました。ローカルな普通電車にだらっと乗り続けるのも、適当には面白く。色んなヒトが出たり入ったり。今は皆、静かにスマホの画面を見ている確率が高く、昔のように話し声が聞こえてくるようなコトはありませんが、車内放送が地方の言葉のイントネーションを教えてくれます。くすっと笑える言い間違えがあったりして、どこかしら笑顔になれます。非日常は楽しい・・・と思いながらメデタク一日が過ぎてゆきます。